光物性研究室

研究概要


  光物性研究室では、 光と物質の相互作用によって引き起こされる物理現象を研究しています。 物理現象として真に興味深い現象は、 安定した基底状態から大きく隔たった非平衡状態で現れる事が多く、 その典型的な例がレーザー光照射によって物質の性質が巨視的に変化する光誘起相転移現象です。 そこでの光の果たす役割は、 単にエネルギー準位の分布を調べるなどのような物質の性質を探る手段ではなく、 物質の性質を変化させ制御する、 つまり光励起により基底状態とは全く異なった新たな状態を作り出し (秩序の形成、もしくは秩序の破壊)、 さらに、それを制御するものです。 このような秩序形成・秩序破壊のダイナミクスを解明することにより、 秩序形成には欠かすことのできない、 電子、格子の共同現象の本質を露わにすることができます。 しかし、このような研究は、 非平衡状態であることによる様々な困難のため、 ほとんど進んでいませんでした。 ところが、最近になって、 光技術の急速な進歩により、 超短・極超短パルスやコヒーレンス、 高エネルギーなどの光の特徴を生かした新しい研究領域が拓けつつあります。 これにより、従来の視点とは全く異なる新しい視点から様々な物質の本質を解明することが可能になりつつあります。 このような新しい光物性の理論研究に取り組んでいます。